飯舘村労働審判③ 驚くべきずさんな実態が暴露!
- 2018/10/05
- 23:31
10月5日(金)福島県庁
飯舘村蕨平の仮設焼却炉でずさんな管理体制により被ばく労働を強いられたと訴える元作業員の男性が福島地裁に労働審判を申立、本日弁護士とともに記者会見を行いました。この日は記者会見のみで、審判は11月5日より3回の予定です。
驚くべき違法行為が次々と明らかにされました。

(記者会見資料より一部引用)


(主旨)
■申立人は、中村環境エンジニアリングより派遣社員としてH28年8月17日からH29年12月23日まで日揮の焼却炉で灰処理業務に従事
■ダイオキシン類ばく露防止対策では、集じん機等の内部での灰出し、清掃、保守点検作業を行う場合はレベル2(全面マスクとタイベック)の着用を義務づけられている。
■本件焼却施設は放射線管理施設でもあり、レベル2に該当する作業を行う場合は、放射線管理課の対応下での作業が義務付けられていた。
■相手方(日揮)は、レベル2の保護具が必要な場所でレベル1(半面マスクと通常の作業服)の軽装備のみで作業をさせる「やみ作業」が横行していた。安全配慮義務違反が問われている。
■違法行為は申立人が就労した全期間(1年4か月)にわたり、日常的に行われていた。合計111回にも及んでいる。
【特に重大な違法行為】
■H29年5月、集じん機のバグフィルターろ布が破損したが、日揮はこれを修理せず、タイベックススーツのズボンをちょん切ってすそを結束バンドで集じん機に取り付けてフィルターの代用としていた。この状態が2カ月も続いた。
■違法なシュート作業が繰り返された。(後述)
思わずあ然とするような実態が暴露されました。
申立人の男性は、写真を見せながら状況を話しました。


タイベックススーツのズボンをバグフィルター代わりにしている様子。24時間連続運転のため、フィルターが破損すれば即焼却灰がダダ漏れになる。あたりは一面焼却灰まみれだった。
この代用物の交換を1日2回、半面マスクでさせられていた。(やみ作業)

交換したフィルター代用物

焼却灰が散乱した現場を急遽「エリア設定中」として立入りを制限しているところ

灰シュート(焼却炉から灰をピットに送り込む間の部分)
ここで機器の不具合によりたびたび灰が詰まり、点検口を開けて棒などを使って手作業で灰を掻き出さなければならなかった。
「(放射線管理課から)バレないようにやれ」「(同課が)来たら合図するように」と指示された。
男性は、派遣元の会社に何度も違法行為を改めさせるよう訴えていましたが、その度に「(違法行為を)やらないわけにいかないだろう」「派遣先に言うのなら辞めろ」などと言われ続けました。現場は毎日焼却灰を浴びるような劣悪な作業環境下、ストレスも相まって胃の病気を発症し休職に追い込まれます。しかし現場では何ら改善の兆しも見えず、ついに「もう続けられない」と退職を決意しました。結局現場の同僚に挨拶もできないままでした。
「このような申立てをするのは勇気が要ったのでは」との報道関係者からの質問に、「自分だけではなく、現場の労働者は30人くらいおり、否が応でもやらざるを得ない状況に追い込まれている」と元同僚らの窮状を伝えました。あわせて「自分自身の健康不安も相当大きい」と話しています。
ダイオキシン法の違反は明白であるのに対し、放射性物質取扱いあるいは放射線被ばく関係については「もう少し調べたい」と弁護士さんが話されたのがひっかかりました。いずれ明らかにされると思いますが、焼却灰の濃度データなど重要なものはすべて相手側が持っている点で、申立人が不利な立場に置かれていることは否めません。
日揮という日本最大手の企業がこれほどずさんなことを堂々とやってのけていることなど誰も想像しないでしょう。こんな悪質な犯罪行為が国の事業そして何百億円もの税金で行われているのに、環境省はなぜ放置しているのでしょうか。
今後も多くの目で監視していかなければなりません。
11月5日の第一回審判にご注目下さい。
飯舘村蕨平の仮設焼却炉でずさんな管理体制により被ばく労働を強いられたと訴える元作業員の男性が福島地裁に労働審判を申立、本日弁護士とともに記者会見を行いました。この日は記者会見のみで、審判は11月5日より3回の予定です。
驚くべき違法行為が次々と明らかにされました。

(記者会見資料より一部引用)


(主旨)
■申立人は、中村環境エンジニアリングより派遣社員としてH28年8月17日からH29年12月23日まで日揮の焼却炉で灰処理業務に従事
■ダイオキシン類ばく露防止対策では、集じん機等の内部での灰出し、清掃、保守点検作業を行う場合はレベル2(全面マスクとタイベック)の着用を義務づけられている。
■本件焼却施設は放射線管理施設でもあり、レベル2に該当する作業を行う場合は、放射線管理課の対応下での作業が義務付けられていた。
■相手方(日揮)は、レベル2の保護具が必要な場所でレベル1(半面マスクと通常の作業服)の軽装備のみで作業をさせる「やみ作業」が横行していた。安全配慮義務違反が問われている。
■違法行為は申立人が就労した全期間(1年4か月)にわたり、日常的に行われていた。合計111回にも及んでいる。
【特に重大な違法行為】
■H29年5月、集じん機のバグフィルターろ布が破損したが、日揮はこれを修理せず、タイベックススーツのズボンをちょん切ってすそを結束バンドで集じん機に取り付けてフィルターの代用としていた。この状態が2カ月も続いた。
■違法なシュート作業が繰り返された。(後述)
思わずあ然とするような実態が暴露されました。
申立人の男性は、写真を見せながら状況を話しました。


タイベックススーツのズボンをバグフィルター代わりにしている様子。24時間連続運転のため、フィルターが破損すれば即焼却灰がダダ漏れになる。あたりは一面焼却灰まみれだった。
この代用物の交換を1日2回、半面マスクでさせられていた。(やみ作業)

交換したフィルター代用物

焼却灰が散乱した現場を急遽「エリア設定中」として立入りを制限しているところ

灰シュート(焼却炉から灰をピットに送り込む間の部分)
ここで機器の不具合によりたびたび灰が詰まり、点検口を開けて棒などを使って手作業で灰を掻き出さなければならなかった。
「(放射線管理課から)バレないようにやれ」「(同課が)来たら合図するように」と指示された。
男性は、派遣元の会社に何度も違法行為を改めさせるよう訴えていましたが、その度に「(違法行為を)やらないわけにいかないだろう」「派遣先に言うのなら辞めろ」などと言われ続けました。現場は毎日焼却灰を浴びるような劣悪な作業環境下、ストレスも相まって胃の病気を発症し休職に追い込まれます。しかし現場では何ら改善の兆しも見えず、ついに「もう続けられない」と退職を決意しました。結局現場の同僚に挨拶もできないままでした。
「このような申立てをするのは勇気が要ったのでは」との報道関係者からの質問に、「自分だけではなく、現場の労働者は30人くらいおり、否が応でもやらざるを得ない状況に追い込まれている」と元同僚らの窮状を伝えました。あわせて「自分自身の健康不安も相当大きい」と話しています。
ダイオキシン法の違反は明白であるのに対し、放射性物質取扱いあるいは放射線被ばく関係については「もう少し調べたい」と弁護士さんが話されたのがひっかかりました。いずれ明らかにされると思いますが、焼却灰の濃度データなど重要なものはすべて相手側が持っている点で、申立人が不利な立場に置かれていることは否めません。
日揮という日本最大手の企業がこれほどずさんなことを堂々とやってのけていることなど誰も想像しないでしょう。こんな悪質な犯罪行為が国の事業そして何百億円もの税金で行われているのに、環境省はなぜ放置しているのでしょうか。
今後も多くの目で監視していかなければなりません。
11月5日の第一回審判にご注目下さい。
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